変革期の富士通が挑むSAPビジネスの本気度

杉本 拓真 × 細川 和宣 × 瀧口 紘司

社会課題解決を目的とした事業ブランド「Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)」を2021年に立ち上げ、企業変革を進めている富士通。現在、SAPビジネスの拡大および人材育成に多大なリソースを投下しています。なぜ富士通はSAPビジネスに焦点を当てているのか、そして富士通だからこそ知りえる、その「勝機」とは。富士通のSAPビジネス拡大を牽引する3名にお話を伺いました。

出典:ビズリーチ 公募ページ「富士通株式会社」(2022年11月24日公開)新しいウィンドウで開きますより転載

新事業ブランド「Fujitsu Uvance」の一環でSAPビジネスを展開

JGG(ジャパン・グローバルゲートウェイ)エンタープライズアプリケーションDivision長/杉本 拓真

Q. はじめに「Fujitsu Uvance」の概要と、そのなかでのSAPビジネスの位置付けについて教えてください。

「Fujitsu Uvance」は、富士通が2021年に発表した、社会課題解決を目的とした事業ブランドです。社会課題解決をテーマに7つのKey Focus Areasを編成し、それぞれの領域でサステナブルな社会の実現を後押しするオファリングを提供しています。従来の富士通はSIerビジネスが主流で、受け身だと捉えられることもありましたが、これからはFujitsu Uvanceの推進を通じて主体的に社会課題を定義し、解決する企業に自らを変革していきます。

Fujitsu Uvanceの7つの領域のうち、SAPビジネスはBusiness Applications領域に位置付けられています。Business Applications領域は、昨今の急速な市場環境の変化に対応できるITサービスの提供をミッションとしており、その一つとして「3S」に注力しています。

3Sでは「SAP」「Salesforce」「ServiceNow」の3つのビジネスプラットフォームに焦点を当てており、それぞれの頭文字を取って3Sと名付けました。これらのプラットフォームはグローバル規模でのベストプラクティスを豊富に備えているうえ、クラウドでの提供も可能なことから、今後さらに市場での存在感は増していくでしょう。そのため、富士通では3SをBusiness Applications領域の重点と位置付け、オファリングの提供やデリバリ体制の構築に力を入れています。

Q. SAPビジネスでは、現在どのような戦略を描かれているのでしょうか。

オファリングとリソースの両面で、戦略を実行していきます。まず、オファリングにおいては、業務系と共通系のサービス展開を加速します。例えば、業務系では、従来のSIerビジネスのなかで培った富士通の業務ノウハウを凝縮した業種向けサービスを提供していきます。現在、すでに個別受注生産に対応可能な製造業向けサービスを提供しており、その他にも共通系サービスとして、SAPやMicrosoft、AWSなどの企業と連携を強化し、パートナーの強みを取り込んだサービスを提供します。

一方で、リソース面では2026年までにグローバルで現在の3倍の体制の構築を目指します。他部門の社員のリスキリングや人材採用などを通じて、体制強化を推進中です。

SAPコンサルタントには、SAPのシステムへの理解や専門的な業務知識、クライアントとのコミュニケーション能力など、多彩な能力が求められます。ただ、社内には会計や販売などの業務知識を有する技術者が数多く在籍しており、そういった人材をSAPコンサルタントにリスキルすることは可能だと考えています。リスキリングの体制はすでに構築しているため、今後ますますSAPビジネスを加速させていきます。

SAP導入のロールモデルとして、オファリングを提供できる強み

Q. SAPビジネスにおける富士通の強みは何だと思われますか。

一番の強みは、富士通自らSAPを導入し、ノウハウを蓄積していることです。富士通は全社DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクト「フジトラ」の一環として、ERPを一つのシステムに集約する「One ERPプロジェクト」を推進しています。そのなかで、SAPを「Fit to Standard」のアプローチで導入しています。富士通は約13万人の連結従業員を擁するグローバル規模の企業です。そうした企業がERPを一つに統合するシングルインスタンスを構築し、かつ「Fit to Standard」でSAPを導入するのは極めて野心的な試みです。おそらく国内企業では最大規模の導入ではないでしょうか。

もちろん導入に際しては、さまざまな課題が発生します。しかし、その実践によって得られたノウハウは、大きな強みとなり、それらを企業変革の手段としてSAPのソリューションを実例とともに提供できるのは、富士通だからこその強みといえるでしょう。

Q. 今回の公募で求める人物像について教えてください。

富士通のSAP戦略に共感いただき、SAPビジネス拡大を一緒に進めていただけるSAP経験者を求めています。

さらに、富士通はリスキリングにも力を入れているため、SAPを扱った経験はなくても、何らかのERPの導入経験がある方、スクラッチ開発で業務システムを設計されてきた方も十分対応は可能だと思います。

共通して言えるのは、「自らを変革したい」というマインドは強く求めたいということです。現在、富士通自体が変革の真っただ中にあるため、そのなかで働くメンバーにも自らを変えていくマインドを求めています。「これまでは開発者だったが、コンサルタントを目指したい」「コンサルタントからプロジェクトマネージャーに転身したい」といった意欲的な方にご応募いただきたいです。

また、「次世代に自らの知見を伝えたい」といった経験豊富な方にも、興味を持っていただけたらうれしいです。現在、富士通はデリバリの標準化・高度化を推進しており、個人のナレッジやノウハウを共有し、形式知として整えていく機会は多くあります。これまでの経験を武器に、富士通の変革をぜひ一緒に進めていただければと思います。

「SAP BASIS」を重視し、優秀な技術者たちと挑戦できる環境

JGG エンタープライズアプリケーションDivision シニアマネージャー/細川 和宣

Q. 細川さんは前職の大手電機メーカーのグループ会社で、SAPビジネス部門の部長を務められていたそうですが、転職の経緯をお聞かせください。

前職では20年ほどSAPビジネスに携わっており、なかでもSAP BASIS(以下、BASIS)の技術者として長く経験を積みました。転職を検討し始めたのは、SAPビジネスの部長として仕事を担うなかで、会社のBASISへの姿勢にギャップを感じたのがきっかけです。

前職のグループ内にはBASISの技術者が数多く在籍していましたが、各部署に点在していたため、技術者同士が力を合わせたり、ナレッジを共有したりすることが難しい環境でした。BASISはOSやデータベース、ネットワークなど幅広い知見が要求されるため、人材育成が簡単ではない領域です。一方、「SAP ERP 6.0」の標準サポートが2027年に終了する「2027年問題」が差し迫るなかで、ニーズは高まっています。そこで私は、BASISの技術者を集約し、組織全体で注力すべきだと常々考えていました。

富士通への転職を決めたのは、そうした私の考えを理解してくれたからです。富士通では一つの部署にBASISの技術者が数十名も在籍しており、日常的に知見を共有し合う環境がありました。何より、SAPビジネスのなかでBASISを重要な技術と位置付けている点に共感したのが、入社の決め手です。

Q. 現在の担当業務や経験されたプロジェクトについてお聞かせください。

私はSAPビジネスを展開する部門のマネージャーを務めています。案件としては、2021年11月に入社して間もなく、大手住宅メーカーの大規模プロジェクトにプロジェクトリーダーの補佐役として参加しました。そのプロジェクトはSAPの70以上あるモジュールを約11カ月間でコンバージョンするもので、BASISの技術者も10名以上アサインされました。前職であれば、BASISの技術者はプロジェクトに1、2名程度が通常であったため、この注力ぶりには驚きました。

また、富士通のBASISの技術者のレベルの高さにも驚きました。経験豊富で、開発に対する危機感知能力が高いメンバーがそろっていて「このメンバーなら、どんなプロジェクトでも対応できる」と確信するほどです。富士通では、技術者同士の交流が盛んなことはもちろん、ナレッジを共有するコミュニケーションツールなども整備されているため、これだけレベルの高い人材が養成されているのだと思います。

入社から1年ほどがたちましたが、その間にも富士通の国内外グループ会社から30名弱のBASISメンバーを集約して体制を強化しています。さらに、他分野の技術者を育成してBASISの技術者にリスキルする動きも加速しており、富士通のBASISを重視する姿勢を日々実感しています。

「プライム案件×グローバル」の経験を積み、技術者として成長できる

Q. 今、富士通にジョインする魅力は何だと思われますか。

まずは、富士通が直接受注したプライム案件に携われることです。私自身、前職時代はグループ会社の所属として親会社の一次請けのプロジェクトに参画したり、二次請けで携わったりすることが多かったため、富士通に入社してからクライアントと直接やり取りし、プロジェクトの方針まで決定できることには大きな刺激を感じています。その分の苦労がないわけではありませんが、富士通は人材が豊富で、BASISの技術者の層も厚いため、極端に忙しすぎたり、負担がかかりすぎたりすることもありません。

また、グローバル視点でプロジェクトに携われるのも大きな魅力です。富士通は、単なるサービスの提供だけでなく、その先にあるグローバル規模での社会課題解決に常に意識を向けているため、新たな視点が養われ、より幅の広い技術者に成長できます。これはFujitsu Uvanceの理念が、プロジェクトの現場までしっかり浸透している証拠だと思います。

Q. 最後に、この記事を読んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

富士通には、BASISのようなニッチなスキルを有した技術者が数多く在籍しています。そのため、同じスキルや悩みを持つ仲間と共感し、助け合いながら技術者としてレベルアップしていけるはずです。

富士通は、2027年以後のビジネス展開もすでに見据えています。2027年問題に対応するだけでなく、そのなかで収集したクライアントのニーズや動向をビジネスに昇華させ、2027年以降に一気に展開していく方針です。技術者としても継続的に案件に携わっていける環境だと思いますので、ぜひ多くの方からのご応募をいただけたらうれしいです。

SAPビジネスの拡大と富士通の変革を同時に担えるのは、今しかない

JGG エンタープライズアプリケーションDivision マネージャー/瀧口 紘司

Q. まず、瀧口さんのご経歴や富士通に入社された経緯から教えてください。

私は富士通が3社目です。1社目は独立系のSIerでSAPコンサルタントとして販売や物流などの分野を経験し、2社目は製造小売業の情報システム部門に在籍していました。SAP担当にアサインされ、裁量を持って運用保守やロールアウト案件に携わることにやりがいを感じていたのですが、入社から1年半たった頃にSAP担当チームを外部ベンダーにアウトソーシングすることになり、他のシステム担当へ異動となりました。昨今SAPビジネスは成長著しい分野です。そうしたなかで、自らのSAPへの知見や技術を生かせる環境を求め、2度目の転職を検討し始めました。

富士通への入社を決めたのは、現在グループ全体で推進されている企業変革のプロジェクトに引かれたからです。国内大手SIerということもあり、以前から富士通にはやや保守的な印象を抱いていたのですが、面談などから感じる「変革への本気度」にイメージを覆されました。ここ数年間で人事制度などが大きく見直されているほか、グループの垣根を越えて、成果を出している人物を評価する文化が醸成されていると聞き「入社するのは今しかない」と確信しました。

Q. 現在担当されている業務について教えてください。

現在は、大手メーカー企業のグローバルプロジェクトに参画しています。海外関係会社からSAP ERPを導入し、将来的に国内本社にも展開するSAPグローバル導入プロジェクトで、現在は要件定義の準備フェーズです。そのなかで、私はプロジェクトリードを担当し、国内のメンバーだけでなく、ドイツのメンバーと協力しながら、プロジェクトの体制化や計画を進めています。

特徴的なのは、海外・国内を問わず複数の拠点のメンバーでプロジェクトチームを組成していることです。私は関東が拠点なのですが、他のプロジェクトメンバーは関西や東海を拠点にしています。一カ所に集まれないことに不便を感じることもあるのですが、一方で、柔軟かつ効率的にメンバーをアサインしているともいえます。マネージャーとして活動していくうえで、このアサイン体制は有用です。今後はアジア圏内からもメンバーを積極的にアサインして、強力で機動力の高いチームを築いていきたいと考えています。

成長期のSAPビジネスだからこそ、望むキャリアを築いていける

Q. SIerやユーザー企業を経験した瀧口さんから見て、富士通で働く魅力は何でしょうか。

まずは、今まさにグローバル規模の成長を遂げようとしていることです。富士通のSAPビジネスは良い意味で成熟しきっておらず、技術者やコンサルタントもまだまだ陣容を固めていく必要があります。とはいえ、グループ内にはこれまでに培った知見やノウハウが大量に蓄積され、リスキリングのしくみも整っており、確実な成長が期待できる環境です。このような今しかない変化の時期に立ち会えるのは貴重なことではないでしょうか。

また、成果を出す人材が評価され、積極的に登用される環境もポイントです。例えば、プロジェクトでエース級の活躍をしていたメンバーが、富士通の全社プロジェクトである「One ERPプロジェクト」に配置転換となりました。自社の変革を進めるため、経営層やマネージャー層が現場のメンバーに注目し、成果を出した人材に相応の評価を与えています。こうした環境は、現場で働くメンバーの大きなモチベーションになっています。

個人的には、主体的にキャリアを築いていけることにやりがいを感じています。実は現在のプロジェクトにアサインされる際、上司から「このプロジェクトに参加するのは可能か」と意向を尋ねられました。以前私はSIerを経験していますが、そうした質問をされたことはなかったので非常に驚きました。メンバーの主体性を尊重し、それぞれが望んだキャリアを築いていける環境は、多くの方にとって魅力的なのではないでしょうか。

Q. 最後に、この記事を読んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

富士通は今、グループ全体で変革を進めています。そのため、自ら意見を発信し、積極的に周囲とコミュニケーションを取るマインドが必要です。実際マネージャー層は頻繁に「失敗を恐れずに、挑戦してほしい」と口にします。強い意志を持って仕事に臨める方と切磋琢磨できる日を心待ちにしています。

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