日本から世界へ、ServiceNowのベストプラクティスを発信

山口 肇 × 越智 祐樹 × 久慈 惇志

2021年、持続可能な世界の実現に向け、社会課題の解決にフォーカスした事業モデル「Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)」を発表した富士通。そのなかで「SAP」「Salesforce」に続いて現在推進しているのが、業務プロセス標準化・自動化によって生産性向上を支えるプラットフォーム「ServiceNow(サービスナウ)」を活用したビジネス展開です。ServiceNowビジネスの現状や将来性、デリバリに携わる魅力などについて、その最前線で活躍する3名にお話を伺いました。

出典:ビズリーチ 公募ページ「富士通株式会社」(2023年2月9日公開)新しいウィンドウで開きますより転載

「ケイパビリティ」「オファリング」「GTM」でServiceNowビジネスを強くする

Uvance Business Applications ServiceNow事業部 事業部長/山口 肇

Q. まず、「Fujitsu Uvance」におけるServiceNowビジネスの位置づけから教えてください。

Fujitsu Uvanceでは、ServiceNowをBusiness Applications領域の中核ソリューションに位置づけています。お客様が急速に変化する市場で持続可能な価値を提供するためには、業務とサービスを高速かつ継続的に進化させることが必要です。

ServiceNowは高度なUX実現による従業員の生産性の向上、その先のお客様への高品質なサービス提供を支えるデジタルワークフローソリューションとして、グローバルで市場ニーズが高く、急速に普及しています。富士通はServiceNowを活用することで、さまざまな国の多くのお客様の課題解決を支援しています。特に海外拠点では先行して事業を実施しており、他社を圧倒するようなナレッジが蓄積されています。

また、お客様の課題解決だけでなく、富士通社内でも自身の変革の手段としてServiceNowを使いこなしており、これらの取り組みを通して培ってきた「工夫」や「苦労」を展開することで、お客様のDX推進に貢献できると考えています。

Q. ServiceNowビジネスにおける現在の戦略について教えてください。

社会やお客様の経営課題解決に向けて、富士通ならではの価値をServiceNowに付加して提供するというミッションのもと、「ケイパビリティ」「オファリング」「GTM(Go To Market)」という3つのテーマで強化しています。まず「ケイパビリティ」としては、お客様に価値を提供する人材、プロセス、ツールを重視し、なかでもServiceNowの専門性を高め、お客様の戦略や課題に対して適切なソリューションを提案・導入し、継続的な変革への道筋を提言しお客様と伴走できる人材の育成・採用・リテンションに努めています。

さらに「オファリング」については、富士通の「長年培ってきた業種・業務知見」「最先端の技術」「自身の変革のショーケース」の3つを軸に、富士通の強みとServiceNowを組み合わせたオファリングを整備・拡充しています。

「GTM」では、お客様に対し、適切なタイミングで我々の実現価値を提案することが大切だと考えています。富士通からサービスを提供しているお客様であれば、日々の活用状況や製品のバージョンアップを考慮したうえで、適切な変革や改善への提案を行います。富士通からサービスを提供していないお客様であれば、多様な業種・業務における富士通の提供価値について、ウェビナーやキャンペーン、SNSを通じて認知していただく取り組みを実施しています。またGTMの取り組みは富士通単独だけではなく、ServiceNow社や各パートナーと連携して実行することが重要と考えています。

ServiceNowを広めることが社会課題の解決にもつながる

Q. 戦略の「ケイパビリティ」「オファリング」「GTM」の3つのテーマにおける具体的な取り組みはありますか。

まず、「ケイパビリティ」の人材育成という観点では、グローバルに通用するデジタル人材育成のために「Global Strategic Partner Academy」を社内に開設しており、ServiceNowの技術やオファリングを学べるカリキュラムを提供しています。さらに、好きなときに好きなだけスキル習得や研修受講、ServiceNowの資格取得に挑戦できる仕組みづくりにも取り組んでいます。

また、ServiceNowのアジア太平洋地域最大の独立系コンサルティング会社であるEnable Professional Servicesを2022年8月に買収しました。これにより、オセアニアやアジアのお客様への課題解決能力やスピードが向上しました。Enable Professional Servicesが保有するオファリングと富士通の強みを組み合わせることで、日本を含め欧州やアメリカのお客様にもより高い価値を提供できるよう進めています。

「オファリング」では、例えば「Sustainable Manufacturing(持続可能なものづくり)」を目指し、製造業現場のOEE(設備総合効率)向上を支援するオファリングや、フィールドサービス業務の生産性向上を目指し、富士通の疑似量子技術とServiceNowを組み合わせたオファリングなどを整備しています。また、お客様の継続的変革を支援しServiceNowへの投資対効果を高めるオファリングなど、新たに仲間になったEnable Professional Servicesが得意とするものもあり、日本のお客様にも展開すべく取り組んでいます。

「GTM」については、ServiceNow社と連携してお客様にアプローチする施策や、ServiceNow社からも富士通のオファリングを積極的に提案していただく取り組みを行っています。日本以外の国では、まだまだ富士通の認知度が低い国も多く、今後も国ごとの特性を意識した最適なGTM施策により、富士通に提案機会をいただけるよう取り組んでいきます。

Q. ServiceNowビジネスにおける富士通の強み、今富士通でServiceNowビジネスに携わる面白さは何でしょうか。

富士通の強みは、特に「ケイパビリティ」と「オファリングポートフォリオ」だと考えています。富士通は、ServiceNowの最上位資格である「CMA(Certified Master Architect)」などで世界トップクラスを誇っています。ServiceNowの専門性と関連する業務知見を活用したコンサルティング能力は強みであり、グローバルで継続して強化していきたいと考えています。

また、お客様の課題によっては、ServiceNowだけでは解決できない場合もあります。その場合は、他のクラウドサービスと組み合わせたソリューションを提案可能です。社内実践やお客様の課題解決の支援を通じて培った豊富な知見をもとに、ポートフォリオを継続的にエンハンスしており、この点も強みと考えています。

私自身は2014年からServiceNowビジネスに携わっていますが、2018年にアメリカでのServiceNow社のイベントに参加した際、当時ServiceNow社CEOのジョン・ドナホーが話したことをよく覚えています。彼は「AmazonやUberなどのサービスで体験できる快適さを仕事の環境にもたらし、全ての働く人の生産性を向上させたい」と話し、私はServiceNowが目指している世界観に共感しました。私は「ServiceNowを提供する」というよりは、「世界中の人々が、もっと快適に、もっと有意義な時間を過ごせるように技術の力で貢献する」という意識を持って、このビジネスに取り組んでいます。

グローバルのメンバーと連携しながら、そのような可能性に満ちたソリューションを日本市場で広げていくうえで、今は絶好のタイミングといえるでしょう。日本を本拠地としてグローバルにビジネスを展開していくダイナミクスも感じていただけるはずです。日本にいながらグローバルの仕事ができるのはキャリアにとってもプラスになりますし、日本にはまだいないServiceNowの最上位資格CMAの取得者となり、日本でNo.1のServiceNowコンサルタントを目指すのも良いでしょう。ぜひ多くの方に、富士通でのServiceNowビジネスに共感していただき、ご参画いただきたいです。

質の高いITサービスを短期間に提供できるServiceNowの魅力

JGG(ジャパン・グローバルゲートウェイ) エンタープライズアプリケーションDivision ServiceNowテクニカルコンサルタント/越智 祐樹

Q. 越智さんは2022年4月にフリーランスでの開発職からキャリア入社されていますが、転職の経緯と入社の決め手について教えてください。

もともとは独立系SIerでお客様先に常駐してシステム開発に従事しており、この7~8年はフリーランスの立場で、Webシステムの開発やクラウドインフラの構築、スマホアプリの開発などに広く携わってきました。フットワークの軽いフリーランスとして多様な案件を手がけ、一定のやりがいはありましたが、今後のキャリアを考え、柱になるスキル・技術が欲しくなったのです。

そんななか、2年前にServiceNowのデリバリ案件に携わる機会があり、質の高いITサービス体験を短期間で提供できることに魅力を感じ、このスペシャリストとして活躍していきたいと思うようになりました。「SAP」や「Salesforce」など、他のSaaSは特定の業務に特化しているのに対し、ServiceNowは全てのシステムを統合・連携し「プラットフォームを支えるプラットフォーム」という役割を担える点にも魅力を感じました。

企業に属して腰を据えてServiceNowに取り組もうと思ったときに、富士通がServiceNow事業に力を入れ、急成長させようとしているのを知り、ここだと感じました。採用面談でもServiceNowビジネス拡大への情熱が感じられ、ぜひその一員として新たなキャリアを歩みたいと入社を決めました。

Q. 実際に入社されて、富士通のServiceNowビジネスへの注力度合いや拡大の勢いについて、どのように感じましたか。

グループ一丸となってServiceNowビジネスを盛り上げようという熱意を、改めて感じました。富士通ではビジネスを加速し、社会課題に挑む「Fujitsu Uvance」をグローバルに展開し、その重点施策としてServiceNowを位置づけています。入社当初に戦略会議などで人員増員計画などを聞いたとき、想像より強気な内容だったので驚きましたが、実際に新規採用やリスキリングで人材の確保育成を進め、グローバルでは最近Enable Professional Servicesを新たに仲間に加えるなど、ServiceNow拡大強化のための地盤を着々と固めています。

富士通自体もDX企業への変革を進めるなかで、社内システムをServiceNowに移行し、社内での実践によりノウハウを蓄積しています。こうしたことからも、ServiceNowビジネスへの本気度や覚悟を感じますね。

CSM領域から幅を広げ、ServiceNowのスペシャリストを目指す

Q. 現在担当されている仕事内容と、これまでに経験されたプロジェクト事例を教えてください。

ServiceNowのデリバリで、お客様の要件を詳細化して定義し、それに沿ったカスタマイズもしながら実装を行います。その他、テストやサポートなど、一連の流れを担当しています。

現在は、大手通信事業者向けのServiceNowデリバリプロジェクトに参画しており、主にCSM(Customer Service Management)領域のカスタマイズを担当しています。富士通のServiceNowデリバリのなかでもかなり大規模なプロジェクトで、複数の開発ラインが同時進行しており、その一つの開発チームでリーダーを務めています。

具体的には、設計チームと連携してお客様の要件を定義し、主に要件を詳細化するにあたっての技術的支援を担っています。実装はアジャイルのスクラム開発で行っており、私は機能全体の方式設計やチームのスケジュール管理、レビューなどを行っています。手を動かす作業も好きなので、カスタマイズも自身の手で頻繁に行っています。そのあたりは自由度が高いですね。

ServiceNowには「標準機能をメインに使い、カスタマイズは最小限に」という基本思想がありますが、実際の要件は複雑なものが多く、カスタマイズが多くなりがちです。いかに標準機能を利用してカスタマイズを減らせるかは、エンジニアの腕の見せどころです。

Q. 仕事のやりがいや富士通ならではの働きやすさ、今後の目標などを教えてください。

フリーランスのときと違い、チームの管理など責任ある仕事を任されるプレッシャーはありますが、それも自身の成長につながると思い、やりがいを感じています。富士通では月1回以上1on1でキャリアイメージのすり合わせを上司と行っており、自分のやりたいことを目指せる環境です。私は開発が好きなので、ServiceNowでも製品の仕様を究めてスペシャリストとしてやっていきたい気持ちが強くなっています。資格取得も自分の市場価値を高めることにつながりますし、会社からも奨励されているので、積極的にトライしたいと思っています。

今のプロジェクトではServiceNowのCSM領域を手がけているので、そこから徐々にITSM(IT Service Management)やITBM(IT Business Management)などへ領域を広げ、知見を高めていきたいと思います。ServiceNow自体、プラグインでさまざまな機能が提供され、年2回バージョンアップがあるなど、奥が深いものなので、取り組みがいのあるチャレンジだと思っています。

ServiceNow未経験から得られる高い専門性

JGG エンタープライズアプリケーションDivision ServiceNowテクニカルコンサルタント/久慈 惇志

Q. 久慈さんは2022年9月に独立系SIerからキャリア入社されていますが、転職の経緯と入社の決め手についてお教えください。

前職では主にWebアプリの開発に従事していました。ものづくり自体は楽しかったのですが、二次請けの仕事が多く、プロジェクトのたびに出向先や扱う技術が変わり、自分で専門性を高めることに難しさを感じていました。キャリアパスについてもマネジメントに限定されていたため、今後のキャリアを考えて転職に踏み切ったのです。帰国生なので仕事で英語を生かしたい希望があり、リモートワーク環境などが充実して柔軟な働き方もできることを軸に、転職先を検討しました。

富士通は、数年前に転職した知人から最近の変革ムードを聞いて興味を持ちました。ServiceNowは名前を知っている程度でしたが、魅力あるソリューションで、富士通としても大きく力を入れていると聞き、ぜひ手がけてみたいと思い、入社を決めました。

Q. 現在担当されている仕事内容と、経験されたプロジェクト事例を教えてください。

2022年9月に入社して、2週間の研修でServiceNowの基本を学んだ後、既存プロジェクトに入り、ServiceNowに徐々に慣れていきました。

今は金融系のお客様のセキュリティ関連のプロジェクトに入り、システムや機器のバージョン確認や脆弱性診断の検知・管理を担当しながら、既存の資産管理のためにServiceNowをデリバリしています。セキュリティ領域は私自身あまり経験がなく、ServiceNowの標準機能からも少し外れていますが、まだ経験者が少ない分、先駆者的な立場でチャレンジしています。

プロジェクトにはServiceNow以外の領域のチームも参画していますが、当チームは私を含め2名とパートナー企業、そしてオフショア拠点であるインドのエンジニアが2名入っており、週2回30分程度のオンラインミーティングを行っています。ServiceNowチームはインドのチームと協業することが多く、もともと希望していた英語でのコミュニケーションができているので、大変満足しています。

自発的な学びもグローバルな交流もかなう環境

Q. 入社から約3カ月でそのような活躍ができている理由は何でしょうか。

同世代の若手のメンバーが多いので、何かと気軽に相談しやすいです。また、プロジェクトとは別に10人くらいのグループチャットがあり、所属意識を強く持ちながら、日々の業務に取り組めます。

リモートワークの体制が整っていることも大きいです。チームには福岡在住のメンバーもいるのですが、入社まもないときに歓迎会などで顔は合わせており、仕事するうえで不安はありません。リモートワークでも上司が雑談をするなどコミュニケーションを取りやすい雰囲気づくりを心がけてくれており、孤独を感じることもないですね。

また、キャリア相談のできる1on1が月に1回あり、自分がやりたいことや興味が出てきたことなどを随時伝えることができます。それらはプロジェクトをアサインされる際にも考慮されるので、自身の目指す成長を描きやすい環境だと思います。ServiceNowについてはGlobal Strategic Partner Academyのカリキュラムが用意されていて自由に受講できるので、スピーディーにスキルアップすることも可能です。今は業務に近い領域の講座を受けていますが、幅広く学んでいきたいと考えています。

私はServiceNow未経験で入社しましたが、仕組みや構造などベースとなる考え方はWebアプリと共通しているので、前職の開発経験も役立っています。実際にWebアプリ開発やサーバー、基盤など、エンジニアのバックグラウンドはさまざまで、各分野のスペシャリストも多くいるので、刺激を受けています。

Q. 現在の仕事の魅力、やりがいを教えてください。

私にとってはServiceNowもセキュリティも新しい領域であり、やりがいを感じて取り組んでいます。英語についても入社前に想像していた以上に活用できていて、テキストでのコミュニケーションよりもオンラインのミーティングなどで直接会話することが多いので、仲間意識やチームとしての一体感もあります。先日、インドのエンジニアチームが会議のため来日した際には通訳を任され、ビジネス英語を磨く良い機会になりました。

また、業務と別に、JGG内のグループで一緒に仕事するインドと日本のメンバー間で定期的に雑談する時間を設けています。交流推進を目的としたもので、隔週で1時間くらいですが、互いの文化や働き方、趣味の話などを通して相互理解が進み、チームとしての一体感の醸成にもつながっていると思います。フランクな場なので、英語が苦手な方が英語力を身に付けるのにも役立つでしょう。その他、「Udemy」などで語学についてのカリキュラムも無料で受けられるので、自分が興味を持ったことは幅広く学べる環境です。

私自身はまずServiceNowに関する専門性を高めるのが目標ですが、今後のキャリアについては富士通の豊富なキャリアパス・選択肢を見て、これから考えていきたいと思っています。社内ポスティング制度も活発に使われていて、この数カ月で2人がServiceNowチームに異動してきました。やりたいことが新たに見つかったり、ServiceNowの技術を新しい領域で活用し自身の市場価値を高めたいと思ったりした場合には、そうした制度を使って新しい道を模索するのも良いと考えています。

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