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Personal interview
使う人想いのシステム開発を目指して
ジャパン・グローバルゲートウェイ アドバンスドテクノロジー推進統括部
2018年入社
白井 瑞羽
Q. 富士通を選んだ理由は?
私と同じ障がいを持つ社員が活躍していたから。
就職活動を始めるにあたり、私には心配事がありました。聴覚障がいを持つゆえに任される業務の範囲が限られてしまうのではないか、そもそも皆と同じような仕事が私にできるのか、といったものです。
いくつかの会社説明会に参加し、どこの会社も人事の方が丁寧に教えてくださるのですが、「入社したらどんな日常が待っているのか」という一番知りたいことをなかなか知ることができませんでした。
富士通の会社説明会が他社と違ったのは、会場に私と同じ聴覚に障がいをもつ社員の方が参加していたこと。その方の話を聞くうちに普段の仕事ぶりや、オフィスでの過ごし方などリアルな風景が伝わってきました。それだけでなく、障がいの有無に関わらずさまざまな部署・業務に配属されることも知ることができました。
その他にも、私たちの暮らしを支える多くのシステムやサービスを手がけていることも魅力でした。中でも驚いたのは稲作を管理するシステム。「富士通ってこんなことまでやっているんだ!」と事業の幅広さに感嘆し、自分も社会に役立つ仕事がしたいと思えたことも決め手の一つです。
Q. 現在のお仕事は?
5万人が使う業務システムをより良いものに。
入社4年目の現在は、主にプロジェクトマネジメントシステムの開発に携わっています。これは富士通社内で行われているさまざまな開発プロジェクトの進捗状況や人員、品質などを一元管理するシステムで、社内外およそ5万人の方々が登録・利用しています。このシステムの部分改修や新機能追加などが私のメイン業務で、社内の関連部署からの要望を受けてRubyやJavaなどを使い実装しています。
私が先日担当したのは、メンバー管理機能の実装です。大きなプロジェクトでは数百名を超える方々が長期間にわたり開発に取り組むので、途中で抜けたり参加したりする人が出てきます。この入退室の管理方法を新しくすることで、機密漏えいなどセキュリティ面でのリスクを低減できないかという依頼でした。具体的には、退出手続きをせずに一定期間が経つと自動でロックがかかる機能を追加するというものでしたが、経験者が社内にいなかったため技術的な壁に何度もぶつかりました。はじめてのことばかりで苦戦しましたが、専門書やWEBで調べたりチーム内で話し合いながらなんとか成功にこぎつけました。
Q. 仕事をする上で心がけていることは?
つくり手本位の開発ではなく、使う側視点での開発を。
設計時に大切にしているのは、使う人の目線になりきるということ。日々のコーディング業務に追われていると、ついついつくり手主体の考え方になってしまうことがあります。その結果、使いづらいものになってしまい「欲しかったものと違う」ということにもなりかねません。
この姿勢を変えないといけないと考えるようになったきっかけは、入社1年目の終わりに担当した案件でした。自信満々で提案したものが「このパターンは考えてる?」と自分には押さえられていなかった観点をいくつも指摘されました。自分自身ではよく考えたつもりでいたのですが、現場での使用状況を理解できておらず大いに反省しました。先ほどのプロジェクトマネジメントシステム改修ではこの教訓を活かしました。要望に応えるだけでなく「こういう時にもロックされるべきでは?」「逆にこういう時にロックされたら困るのでは?」といった条件を洗い出して追加提案したところ、確かにそうだねと認められて採用されました。
使う人から「前より良くなった」「使いやすい」と喜ばれるものをつくりたい。そう考え始めてから、仕事が面白くなり、任される業務も増えてきました。
Q. 「配慮はするが遠慮はしない」社風を感じるのはどんな時?
「こうすればできる」という環境を整える。
確かに入社当初は不安もありましたが、上司を始めとした周囲のメンバーが私の困り事や意見に耳を傾けてくれ、必要に応じて環境を整えてくれているので、現在は自分の持つ力を発揮できています。
例えば、配属当初の会議では、話し合われている内容が聞き取れず困ることもありましたが、上司やプロジェクトリーダーに相談しながらこれまでさまざまな方法を模索してきました。そして現在は文字起こしツールの導入により、私も他のメンバーと同じ様に会議に参加できるようになりました。これは会議の音声データをリアルタイムにテキスト化するというもので、有料ツールでしたが「一度試してみよう。便利なら今後社内で標準化するといいよね」と上司が導入を推進してくれたんです。
障がいを理由に任せないと判断せず、「どうすればできるか」を考えるのが当たり前の風土です。だから、もちろん他の社員と同じ仕事を任されますし、そこで成果を出せなければ同じように力量不足を指摘されます。日々の業務で遠慮を感じたことはありませんね。
Q. 将来どのようなエンジニアになりたいですか?
自由な発想で、自分にしかできない提案を形にしていきたい。
私のチームでは稼働中のシステムを改修する業務が多いのですが、その度に改修しなかった部分で問題が発生しないかどうかを確認するテストを必ず行います。このテストが曲者で、改修のたびに同じことを繰り返さなければいけませんし、大きなシステムであればチェック項目は膨大な数になります。このテストによりリソースが不足しチーム全体のパフォーマンスに影響が出ることも多く、開発をする上での課題の一つでした。
「なんとかできないか」と考えた私は、このテストを自動化できるツールを探し、実際に自分の手で動かし、導入することをチームに提案。ツール活用で従来の半分程度の時間でテストができるため、メンバーは皆驚いていました。現在は試験的にチーム内で運用している最中ですが、今後はチーム外にも広げていけたらいいなと考えています。
「こういうシステムをつくりたい」という依頼に対して、どのように応えていくかはエンジニアの裁量に委ねられています。求められるものをつくるだけではなく「こうしたらもっと良くなるのに」という私なりのアイデアを盛り込んだ提案ができるエンジニアになっていきたいですね。
一日のスケジュール
- ON
9:00 | 出勤、メール&チャットチェック |
---|---|
10:00 | 開発チームミーティング(開発案件の進捗報告、重要事項の共有 |
12:00 | 昼休み(在宅勤務時はフィットネスゲームでリフレッシュ!) |
13:00 | 他チーム全体での状況報告会議、システムの設計&実装&テスト等 |
18:30 | 退勤 |
- OFF
コロナ前は友人とよく旅行に行きましたが、それが難しくなってからは動画配信サービスを利用することが増えました。はじめは「韓国ドラマが流行っているけど、本当に面白いのかな?」と半信半疑でしたが、見事なドはまりぶりです(笑)。その他には簿記の資格取得に向けた勉強を始めました。現在の仕事には直接関係ありませんが、時々は仕事を離れることもリフレッシュにつながるのかなと考えています。
上司からのメッセージ
チームのみんなに信頼される優しい努力家
添野 力
白井さんは全社600箇所以上のシステム開発/運用保守プロジェクトで利用されている社内向け「プロジェクト管理システム」のアプリケーション開発を担当しています。その中でもセキュリティの要となるログイン認証・ユーザー管理については一から学びながらもチームで一番頼れる存在に成長してくれました。
何事もよく考えて洞察力を発揮し、品質高く仕事を完成させる姿勢はチームメンバーの良き模範となっており、優しい雰囲気とともにチームに欠かせないメンバーとして活躍しています。
新しく仲間になる人たちへのメッセージ
私自身、就職活動をしていた時は明確に「こういう仕事がしたい」というビジョンがあったわけではありません。どちらかというと「私、ここで働いていけるかな?」という視点で探しながら検討した結果、とてもいい会社に出会うことができたのだと思います。仕事での目標は入社してから見つければいいので、まずは自分にとって働きやすい環境が整った会社を探すというのも一つの手だと思います。
そのためには、自分と同じ障がいを持つ社員の方に話を聞くのが一番です。ただ、そういう機会はなかなかないので、人事担当の方に相談してみてください。対応してくれる会社も多いと思います。仮に入社するとなれば、長くその会社で働くことになるのですから、遠慮は無用ですよ。
- ※掲載内容は取材当時のものです。