Personal interview

他社の追随を許さず、走り続ける

Data×AI事業本部
プロフェッショナルサービス事業部長代理
1995年入社
中村 和浩

Q. 現在のお仕事は?

私は、Data×AI事業本部プロフェッショナルサービス事業部長代理とシステムプラットフォーム事業本部UNIXソフトウェア開発統括部長、富士通研究所デジタルアニーラ・ユニットシニアディレクターという3つの役職を兼務しています。

現在、メイン業務のData×AI事業本部では、量子コンピューティング技術を応用した「デジタルアニーラ」の事業展開に携わっています。

Q. デジタルアニーラとは?

デジタルアニーラとは、組み合わせ最適化問題を高速に解く計算機アーキテクチャーです。

組み合わせ最適化問題とは、例えば、災害復旧の手順を決める場合など、様々な要因の組み合わせを考慮して評価を行い、最適なものを選択する必要がある問題を指します。組み合わせ最適化問題は、考慮する要因の数が増えると組み合わせの数が爆発的に増えるため、従来のコンピューティング技術では現実的な時間内で解くことができませんでした。この問題を解決する新しい計算機アーキテクチャーを富士通研究所とトロント大学で共同研究を進め、量子コンピューティング技術を応用したデジタルアニーラを開発しました。また、その後も富士通では、開発したアーキテクチャの改良を進めています。
この技術は、今後、化学、金融、エネルギーや流通などの様々な分野に適用されることが期待されています。私はこの部署の責任者として対応しています。
また、兼務であるエンタープライズシステム事業本部では、アメリカのオラクル社と共に、UNIXサーバという基幹業務に入るサーバのファームウェアおよびソフトウェア部分の開発と保守の責任者でもあります。

Q. 幹部社員としてのお仕事・役割は?

プロジェクトをどのように動かすか采配を振るのが、幹部社員の役割です。

また、働き方改革を推進するうえで、メンバーをどう配置し、誰をどう育てるかなど組織を活性化することもミッションです。技術や新規事業への問い合わせへの対応も山のようにあります。様々な課題に対して、組織で対策を考え、解決していく。上になればなるほど責任もプレッシャーも重くなります。未来のことを考えて、自分なりの判断やロジックを基にメンバーに方向性を示していくことが重要です。とはいえ、未来なんて誰にもわからない。それでも自分を納得させ、メンバーも納得させて、チームを進むべき方向へと牽引していかなくてはなりません。悩むこともありますが、そういうときは上司や仲間に相談しながら、方向付けをしていきます。

Q. 社内の設備や雰囲気は、どうですか?

富士通には「配慮はするが遠慮はしない」というモットーがありますが、これは実際に仕事の現場で実践されています。

私は小学校1年のときに事故で左腕をなくしましたが、私自身、富士通で「遠慮はされずに」仕事を任されてきました。できると思われることはどんどん任せてくれる、そういった環境が富士通にはあります。
一般的に障がいのある人は、人に助けられることが多いかと思います。それゆえ、逆に人を助けたり、人の役に立ったりするときの喜びは人一倍大きいのではないかと思います。そういう意味では、富士通は社会に貢献できる影響力のある仕事に携わる機会があり、人の役に立っている喜びを感じることができます。それは別の言葉で言えば「やりがい」です。富士通にはやりがいを見出すチャンスが多くあります。

Q. 富士通と出会ったきっかけは?

子供の頃から電気実験やコンピュータが好きで、将来は電子系の勉強や仕事がしたいと思い、大学は工学部に進みました。

工学系のなかでもモノを作る分野に興味はありましたが、片腕で実験器具を扱うことには限界があったため、同じモノ作りでもソフトウェアの可能性にかけました。就職先として、候補の企業はいくつかありましたが、最終的に富士通が一番自分の知識や技術を活かせる企業だと思い、入社を決めました。

Q. 今後、挑戦したいことはありますか?

現在、事業展開を進めている「デジタルアニーラ」を富士通の収益の柱にしていくことを目指しています。

今、この技術を持っているのは富士通だけです。そのアドバンテージを有効に活用していきたい。そして「量子コンピューティング技術や組み合わせ最適化問題なら富士通だね」と認識されるようになりたいです。そのためにはやるべきことがたくさんありますが、まずは「人」が大切。このビジネスの研究、開発、普及の基盤となれる人をどう育成していくかを考える必要があります。他社の追随を許さず、走り続けていきたいと考えています。

一日のスケジュール

  • ON
8:00 出社
メールチェック、会議など
12:00 昼休み
昼食はマイ弁当、食後にウェブサイトをいくつかチェック
昼寝(たった10分寝るだけでも頭が冴えます)
13:00 会議、メールチェック、資料作りなど
(デジタルアニーラの進捗確認、様々な報告資料・顧客提出資料のチェック、技術資料の査読など)
20:00 帰宅(最近、多用です)
  • OFF

仕事とプライベートはきっちりと分けたいので、家に仕事を持ち帰ることはありません。今、いい息抜きになっているのが家庭菜園です。庭に一坪ほどの小さな畑を作り、土から作りながら楽しんでいます。今年はトウモロコシに挑戦して失敗しました。シーズンが終わると、またホームセンターに行って、次はなにを植えようかと考えるのが楽しみです。

新しく仲間になる人たちへのメッセージ

新入社員であっても、周囲や上司の人たちに遠慮なく意見を発信していってください。間違ったことを言っても全くかまわない。黙っているよりは思ったことをどんどん発言すべきです。いい意味で「生意気」であってほしいと思います。上司の言うことがいつも正しいわけではなく、新人に指摘されて間違いを正すこともあるのです。
私は「うるさい職場」が好きです。私自身、画面に向かってぶつぶつ言いながら仕事をしており、それを聞いてチーム全体が喜んだり、励ましたりしながら仕事をするような職場です。そういった雰囲気がとても好きで、職場はそうあってほしいと思っています。ですからチームでワイワイと話し合いながら、どんな相手であっても声を大きくして、恐れずに発言していってください。そういう人たちは必ず一目置かれ、活躍するフィールドが広がります。
障がいについては心配かもしれませんが、結局、評価されるのは仕事です。富士通はダイバーシティやバリアフリーの理解が浸透しています。なにか違いやハンディがあるからといって、活躍の場が限定されるようなことはありません。自らどんどん発言し、活躍の場を広げていってください。

  • 掲載内容は取材当時のものです。