社内変革で広がるキャリア・働き方の選択肢

赤羽 匡子 × 齊藤 里奈 × 吉川 知足

事業の構造改革と社内文化の変革を推し進める富士通において、2020年11月に設立された「ジャパン・グローバルゲートウェイ(以下、JGG)」はサービスデリバリー(システム開発や運用保守サービス提供体制)の変革をリードし、海外開発拠点を統括する組織です。社員が働き方やチャレンジする仕事を選べる環境づくりにも注力し、「リソースプール制」の導入などの新たな取り組みもすでに始まっています。リソースプール制によって実現できる働き方や見込める成長、今JGGに参画する魅力などについて、リソースプール制を推進する2名と直近で異業界から中途採用で入社した1名にそれぞれお話を伺いました。

出典:ビズリーチ 公募ページ「富士通株式会社」(2021年11月18日公開)新しいウィンドウで開きますより転載

リソースプール制で、希望や専門性に合ったアサイン(任命)が可能に

ジャパン・グローバルゲートウェイ エンタープライズITS統括部 シニアマネージャー/赤羽 匡子(右)
ジャパン・グローバルゲートウェイ エンタープライズITS統括部/齊藤 里奈(左)

Q. まず、お二人がJGGの同じ部門に所属することになった経緯と現在の担当業務について教えてください。

赤羽:1988年に新卒入社して以来、富士通のなかでさまざまな選択をしながらキャリアを積んできました。具体的には、地方の製造SE(システムエンジニア)や国の外郭団体への出向、化学部門のSEなどを経た後、社内公募を利用してサービス部門に異動。その後、Mobility分野のサービスを担当していたところ、JGGのエンタープライズITS準備室に参画しないかという打診があり、組織の立ち上げを一から経験できることに魅力を感じて、2021年2月にJGGに異動しました。

現在の業務としては、リソースプール制の導入を主務とし、システムの導入から運用設計まで全体をリードする役割を担っています。次に割合として大きいのがMobility事業本部からJGGに異動したメンバーのマネジメントで、リソースプール制の根幹となる1on1ミーティングを20名以上とそれぞれ月1回以上実施しています。この他、業種軸でJGGに寄せられる問い合わせなどの対応窓口、エンタープライズITS統括部の運営も並行して行っています。

齊藤:私は2011年に新卒入社してからずっとMobility事業を担当し、お客様の生産管理などのシステム開発に従事してきました。PG(プログラマー)から設計・要件定義へとステップアップして一通りの開発業務を経験し、現在は生産管理システムの業務アプリ開発ブロックのリーダーとして、10名ほどのメンバーを取りまとめています。

そのプロジェクトはもともと中国の開発拠点と進めており、グローバルリソースを活用しているプロジェクトをJGGに集約しようという動きから、プロジェクトごとJGGに異動することになりました。今回が初めての部署異動になります。

Q. リソースプール制の導入には、どのような背景があったのでしょうか。

赤羽:これまでの富士通のデリバリーは業種ごとの部門に切り分けられており、メンバーはそのなかで囲い込まれるような形になっていました。業種のなかでのプロジェクトへのアサインにとどまり、プロジェクトメンバーも同じ組織のなかで構成され、いつも一緒という状況が起こっていたのです。そうなると、自分のキャリアプランや志向、専門性とは異なる業務やプロジェクトを任されるといった弊害も出てきます。例えば、企画をやりたくても開発を任される、アーキテクトを担いたいのにプロジェクトマネージャーを任されるようなことになり、結果的に望む成長もしづらくなってしまうのです。

こうならないよう、人の固定化・囲い込みをやめて社員の流動性を高め、適所適材にアサインすることで社員が成長できる環境を提供するのが、リソースプール制です。富士通のデリバリー改革を推進しているJGGの施策の一環として、エンタープライズITS統括部で開発・導入を進め、JGGでの運用から全社へと展開を図っていきます。

業種にしばられない幅広いチャレンジで、より成長できる

Q. リソースプール制の仕組みについて、具体的に教えてください。

赤羽:業種部門のプロジェクトから要員のリクエストを受けると、求められるスキルやメンバーの意向、空き状況などから総合的に判断してマッチングを考えます。その際、スキルの照らし合わせは、JGGでまとめている共通スキル定義で行います。この共通スキル定義は、テクニカルスキルをはじめ、マネジメントや品質などの観点も含み、アサインメントに必要なスキルを体系的にまとめたものです。

個人にとってはそれらの項目をどれだけ満たせているかで自身の現在地がわかり、今後のキャリアアップを図るうえでのマイルストーンにもなります。
JGGでは標準化を推進していますが、共通スキル定義の設計においてもなるべくオリジナリティーは排除し、明確な基準で標準化を図っています。

Q. リソースプール制を活用することで、何が変わるのでしょうか。社員にとって期待できる効果などを教えてください。

齊藤:これまでは「現状でここまで達しているので、次はこれを任せる」というように、ある程度決められたステップに沿って、プロジェクトや業務をアサインされることがありました。先人たちのレールに乗っているようなイメージですね。このアサインの仕方は、着実にスキルを積み上げていける反面、自身がやりたいこと・できるようになりたいこととのミスマッチも起こりやすく、モチベーションに影響することもあったように思います。

リソースプール制では、上司との1on1ミーティングなどを通して自分の意思を伝えることで、キャリアプランや志向を考慮したアサインがされるので、よりやりがいを持ってプロジェクトに参画できます。

赤羽:リソースプール制では組織での囲い込みといった制約がなく、アサインされるプロジェクトの領域は大きく広がります。そのため、社員はより主体的にプロジェクトを選べるようになり、自身が目指したい方向性へのチャレンジや成長もしやすくなります。社員が成長すれば結果的にプロジェクトの質も上がるので、相乗効果で組織・事業の成長も期待できるでしょう。また、個人にとっても、スキルを磨くことでプロジェクトの選択肢が多くなり、引き合いも増えるので、自身の価値向上につながるといえます。

未経験の領域にもチャレンジできる育成体制

Q. 齊藤さんが今後チャレンジしたい領域などはありますか。また、そういった希望がリソースプール制ではどのようにかなえられるのか、具体的な流れなども教えてください。

齊藤:私がチャレンジしてみたい領域は二つあります。まず、アジャイル開発です。これまでずっとウォーターフォール型の開発を経験してきて、ある程度習熟したのでスキルの幅を広げたいと考えています。近年では、お客様からアジャイル型での開発を希望されることも増えており、今後ますます需要が見込まれるため、ぜひトライしたいです。

もう一つが、AIを組み込んだシステム開発です。以前、ソフトウエアの脆弱性を検知してインシデント対応するPSIRT(Product Security Incident Response Team)を支援するシステムを開発したときにも、AIを組み込んで検知の精度を高めたかったのですが、当時は予算とスキルの問題で実現できませんでした。AIの活用も今後期待されている領域なので、これまでの経験とは全く異なりますが、新たなスキルとして習得したいですね。

赤羽:ある程度のスキルを必要とされるプロジェクトももちろんありますが、リソースプール制では未経験の領域へのチャレンジも可能な体制を整えています。齊藤さんがチャレンジしたいというアジャイル型開発とAIは、いずれも今後需要が増えることが見込まれており、JGGとしても強化していこうとしている領域ですね。

アジャイル型開発へのチャレンジでいえば、齊藤さんは開発手法として経験がないだけで、システム開発のベースはあります。富士通で設けているアジャイルの疑似体験プログラムを受講することにより、アジャイル型開発のプロジェクトに入りやすくなるでしょう。

AIについては、JGG内の他の部署で学ぶことが可能です。その部署は提案から運用・保守までの全プロセスを対象に、方法論の整備やプロジェクト管理、アーキテクチャー標準化をミッションとしています。AIについて基礎・応用・OJTの研修プログラムのようなものを経験させてもらうことで、事前知識を得られるでしょう。

こうした準備期間を置くことで、プロジェクトに入るうえで前提となるスキルを習得できますし、プロジェクト側も安心して受け入れられますね。

Q. リソースプール制では、個人の評価はどのように行われるのでしょうか。

赤羽:これまでは組織内でのみ評価を行っていましたが、リソースプール制ではプロジェクトにメンバーを送り、「One Fujitsu」としてプロジェクトを行うため、評価の観点は二つあります。

まず、参画したプロジェクトでの評価で、これは主に品質・コスト・納期というQCDをベースとしています。プロジェクトに入る時点でどういうことが期待されているかが共有され、プロジェクト完了後にはその期待に対する成果の振り返りや得られたスキルの整理などを行います。こうして、個人のスキルや実績がアップデートされていきます。

もう一つが、JGG内での組織評価で、組織が設定しているKPIを達成しているかどうか、組織貢献や稼働率などが対象となります。

プロジェクトも働く場所も自身で選び、チャレンジできる

Q. リソースプール制の導入後にキャリアを広げた人の実例はありますか。また、働き方への影響などはあるのでしょうか。

赤羽:負荷テストサービスのプロジェクトに参画するためにJGG内の他の部署で3カ月の研修を受け、スキルを身に付けてその領域で活躍している人がいます。また、リソースプール制では「リモートでのプロジェクト参加が可能」という条件も設けており、住んでいる地域以外のプロジェクトにも入りやすくなっています。齊藤さんは名古屋で働かれていますが、働き方は変わりましたか。

齊藤:新型コロナウイルス感染症拡大を機に、フルリモートのワークスタイルに変わっています。コロナ禍となる以前から、育児や介護と仕事を両立する人が週1~2回リモートワークをしていて、周りも慣れていましたし、一般社員でも出張時に出先のオフィスに寄って事務処理を済ませ、直帰するといった活用をしていました。それがコロナ禍で出社の制約がなくなり、本格的にリモートに移行となったわけですが、私の今のプロジェクトではもともと中国の協力会社とオンライン環境で仕事をしていたので、リモートワークにはすぐに慣れました。

現在は、プロジェクトメンバーとオンラインで朝会を実施したり、お客様との打ち合わせもオンラインの会議システムで行ったりしています。私は在宅だとより集中しやすく、出社やその準備のための時間が不要な分、以前より余裕ができたように感じます。希望すれば出社も可能なので、どこで仕事をするかは基本的に自由です。誰もが自分らしく働きやすい形で仕事ができる環境だと思います。

Q. そのなかで、今のJGGに求める人物像を教えてください。

赤羽:JGGはデリバリー部隊ですので、技術的なベースは必要です。そのうえで、さらに自身を高めていき、たゆまずチャレンジできる方がマッチするでしょう。

JGGの組織自体もまだまだ進化していきますし、メンバーもますます増えていきます。そのようななかで、現状に甘んじることなく、自分をアップデートしていける方が求められます。リソースプール制では意欲さえあれば、さまざまなチャレンジができるので、この制度を活用して自身の成長に役立ててもらいたいですね。

齊藤:リソースプール制で人の流動性が高まるので、異なる考え方ややり方を持った人と接する機会が増えます。そうした違いを柔軟に受け入れられる方が、JGGで活躍できると思います。違った考え方というのは、最初は戸惑うものですが、知ることで自分の糧にもなるはずです。

私自身は1on1ミーティングを毎月やっていくなかで、以前よりも自身のキャリアを深く考え、やりたいことや意欲がわいているように感じています。そういったポジティブな雰囲気が今、JGG全体にあふれていますので、ぜひ一緒にステップアップしていきましょう。

異業界からの転職でも早期に成長できる風土・サポートの魅力

ジャパン・グローバルゲートウェイ グローバルエンゲージメント推進統括部/吉川 知足

Q. 吉川さんは、2021年7月に損害保険会社から転身されたとのことですが、富士通へ入社された経緯や入社の決め手について教えてください。

前職では約6年、損害保険会社の本社部門で個人向け自動車保険の営業推進を担当していました。そろそろ新しいことにチャレンジしたいと思うようになり、学生時代の留学経験から「日本と世界をつなぐ」仕事に携わりたいと、転職を決意しました。

コンサルティング会社や商社も検討はしましたが、生活に必要不可欠なインフラを担うIT・通信業界に、世界中と「つながり」を作り出す魅力を感じました。そのなかでも富士通では、「日本のIT産業を変えていくのだ」というトップの力強いメッセージのもと、グローバルな環境で新しいことにチャレンジできるJGGが走り始めており、ダイナミックな仕事ができそうなところにひかれました。また、富士通の手がける事業の多様性、ポスティング制度の導入など、将来的に携わることができる仕事の幅の広さも決め手になりました。

Q. 入社から現在までに担当されてきた業務などについて教えてください。

入社後のオンボーディングにおいては1カ月単位で段階を踏み、現場に慣れていきました。まず、入社直後には中途採用の入社者向けの全社共通の導入研修があり、配属されたJGGで約1カ月、部署・チームのミッションや任される仕事内容について説明を受け、チームでのOJTに入りました。私は社内システムの管理を担当することになりました。この時期は比較的ゆとりがあったため、空き時間を活用してeラーニングなどでシステム関連の知識を習得しました。

次の1カ月では、会議に参加しながら、徐々に業務の流れをつかんでいきました。例えば、担当業務のなかで、社内システムの改善に伴う開発をアジャイル型で行うことになり、その流れをオブザーバー的に把握するといったものです。そうして3カ月目からは実際に社内システムの管理を担当し始め、システム開発の改善計画に従事。説明資料の作成などの役割を任されています。

入社後の充実したサポート、チャレンジへの後押しで成長を実現

Q. 異業界出身でもなじみやすかった理由は何でしょうか。また、前職での経験で生かせたことがあれば教えてください。

入社後すぐに在宅勤務となりましたが、不明点などは適宜チャットやオンライン通話などで確認させてもらえたので、コミュニケーションや情報収集の点でも不安なくなじんでいけました。また、富士通には、中途採用の入社者の立ち上がり支援として3カ月間のオンボーディングサポートがあり、社内制度やツールについての庶務的な質問ではサポーターを頼ることができたのも安心材料でした。

富士通ではeラーニングの講座数が多く、その範囲も技術的なものからビジネススキルまで幅広いので、非常に役立ちました。私自身、異業界からの転職で、システム関連の知識には不安もありましたが、初期に体系立てて学ぶことができ、チームマネジメントの講座なども現在の業務に生かせています。また、JGGは多様性を大切にしており、中途採用の入社者の経験や考え方も尊重されます。上司から「これまでの経験を踏まえて、こういう場合はあなたならどのように考えますか」などと意見を聞かれることもあり、自身の経験を生かして貢献できると実感できました。

実際に、他部署との連携の進め方や現場への説明の仕方については、前職での経験が生かせています。前職の損害保険と今の社内システムでは扱うものは異なりますが、仕事の進め方や周囲とのコミュニケーションの取り方などには通じるものがあります。上司が、私が何者なのか、何ができる人材なのかを丁寧に聞いてくれ、それらを生かせる業務を考慮して任せてくれたことも大きいと思います。

Q. JGGだからこそできる挑戦や経験、働く環境面での魅力は何でしょうか。

チャレンジを応援してくれる風土は、大きな魅力です。私自身、日本と世界をつなぐグローバルな仕事を志向していたものの、前職では国内ビジネスがメインだったため、海外とやりとりをした経験は全くありませんでした。それでも希望と意欲をくんでもらい、今はグローバルと関わる仕事を任せてもらっています。

JGGには外国籍のメンバーが多く、配属されれば必ず周りに誰か外国籍の人がいる環境です。私の直属の上司も外国籍であり、チームメンバーにはフィリピン出身の方がいます。現在担当する社内システムはマレーシアのチームが開発を行っており、定例会議は英語で行われます。それもあって日常的に英語を使う機会が多く、考え方の違いにも触れられます。在宅勤務でありながら、グローバルな環境で働けていることを強く実感できますね。また、チーム内でTOEICのスコアアップ目標を掲げ、メンバーと一緒に英語力を磨いているのも楽しく、切磋琢磨することで成長できるのではないかと感じています。

多様性という点では、女性社員が数多く活躍しているのも心強いです。中長期的に安心して働ける各種支援制度が整っていることに加え、育児中のワーキングマザーや子育てが一段落して仕事に打ち込んでいる管理職の社員もおり、ロールモデルとして考えるきっかけにもなりました。

Q. 最後に、この記事を読んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

JGGは会社全体で大きな変革を目指す組織であり、これからの富士通を変えていくという気概を持った人が多くいるので、とても刺激的な環境です。私自身、社会への影響が大きくダイナミックな仕事の一端を担っているという自覚を持ち、「日本と世界をつなぐ」存在になれるよう努めています。自分の目標や希望に合わせてチャレンジできる環境ですので、新しいことをやりたいという意欲がある方にはこれ以上ない場だと思います。

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