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Interview

インタビュー

異業種からの開拓者たち:
Uvance Wayfindersが拓く未来 Vol.3

前例に縛られない
プロフェッショナルサービスを
創造する

グローバルコンサルティングビジネスグループ
Global Technology Practice Lead

三原 哲Satoshi Mihara

金融機関や流通業界を中心にデータ活用の構想立案、データ活用環境のアーキテクチャ策定、活用後の組織変革や改善支援を多数経験。国内SIerなどを経て2007年、アクセンチュアに入社。データ活用のコンサルティングをリード。2024年6月に富士通に入社し、Uvance Wayfindersにおけるテクノロジーコンサルティングのグローバル展開と変革を推進。早稲田大政治経済学部卒。

三原 哲

富士通は2024年2月22日、コンサルティング事業ブランド「Uvance Wayfinders」を立ち上げました。富士通グループが培ってきたテクノロジー、自社および他社に対する様々な変革の実践知を活用することで、業種や業界の垣根を越えた経営や社会の様々な課題を解決するべく、富士通グループのリソースを総結集し、クライアントにとって持続可能な未来を切り拓くことが狙いです。

2025年4月にはコンサルティング専門組織の「グローバルコンサルティングビジネスグループ」を新設し、クライアントの様々な変革を加速する体制を整えました。Uvance Wayfindersがどんな未来を実現しようとしているのか。強みは何か。どのようにクライアントの持続的な企業価値向上に貢献するのか――。異業種から富士通に参画した4人へのインタビューを通じ、Uvance Wayfindersが拓く未来を紐解きます。

「ビジネスにおいてデータや
テクノロジーを活用すること」を
自身のキャリアの軸に据えてきたんですね。

もともと金融機関に内定をもらっていたんですが、「自分のやりたいことが十分にできないのでは」と悩んでいました。大学の教授に相談したところ「これからの時代にはITが必要だ。IT業界という選択肢もある」とアドバイスを受け、システムインテグレーター(SIer)への入社を決めました。
現場配属3日目に「これは自分のやるべきことではない」と上司にモノ申したらめちゃくちゃ怒られました(笑)。すごく生意気だったと自分でも思います。ただ、その後、金融機関のシステム構築に取り組むうちに「おや、面白いぞ」と思うようになって。金融や社会はITがないと動かない、テクノロジーによって世の中は動いていくと、仕事を通じて実体験したんです。
それでも、仕事に慣れてきて自身のスキルも上がってくるうちにだんだんと面白味を感じなくなってきました。そんな時に「Building the Data Warehouse (W.H.インモン著)」という書籍に出会ったのです。データを活用するための仕組みやデータ構造は、それに特化した新たなものが必要、との考えに「このようなデータを活用するシステムを作り、データ活用を通じてビジネス上の価値を生み出すことこそやりたいこと、やるべきことではないか」と思いました。データを活用する仕組みや環境、プロセスを整えることをライフワークにしてもいいのでは、と気づかされたのです。
自身で会社を経営するなどの経験を経て2007年、アクセンチュアに転じました。金融や流通を中心にデータ活用に関わるコンサルティングをけん引してきた一方、当時から一貫した課題認識も持っていました。業務システムの一義的な目的は仕事を効率化することですが、AI(人工知能)の登場もあり、人間の能力を拡張することに使わないといけないだろう、ということです。これはまだ誰もやり切れていない、ぜひ自らの手でやりたい、やる価値がある。その思いは今に至るまでずっと持ち続けています。

富士通に転じるきっかけは何だったのでしょうか。

大きく2つあります。1つ目は「業務プロセスとそれを支えるITを深く知っている」点です。AIエージェントが本格的に使われ始めると、人間はより考えることにシフトします。人間とAIは共にデータでビジネスを理解するものの、人間の役割は作業の比率が少なくなり、構想策定、企画、改善などの考えることに重きが置かれるようになります。
重要なのは、AIの能力をフルに生かすためにAIが動きやすい形に業務プロセスを変えることです。その際に必要となる業務プロセスおよび業務システムへの知見や改善の経験を豊富に持っているのはコンサルティング会社ではなく、富士通のような企業だと思っていました。
2つ目は「テクノロジーの総合力」です。AIエージェントがどんどん動く世界を実現するために必要なテクノロジーは、大規模言語モデル(LLM)とか機械学習のモデルだけではありません。富士通は量子を含むコンピューティング技術のほか、センサーや画像認識といった独自の技術をたくさん持っています。また、まだ世の中にない新たな技術をつくり出すこともできます。本格的なAI時代の幕開けを前に、どのように社会や企業が変わるのか、社会や企業を変えないといけないのか、という思いに至ったとき、富士通に注目するようになったのです。

2024年6月に富士通に参画しました。
入社前と入社後で何かギャップはありましたか。

いい意味でのギャップは、コーポレート業務の変革が進んでいる点です。
富士通が進めている全社DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクト「フジトラ(Fujitsu Transformation)」は、外からだと「表面的なデジタル化」にとどまっているように見えていました。実際に中から見ると、ファイナンスや人事、法務、品質管理などいろんなコーポレート業務で、データが示す事実に基づく「ファクトドリブン」を急速に進めていると実感しています。事実に基づいて近い未来を予測し、次にとるべきアクションを決める。日本の大企業でここまで、データを活用したビジネス変革を起こせる基礎が整っているのは結構な驚きでした。
別の意味でのギャップは「ライン型」の組織です。単一の指揮系統でつながっている構造がすごくしっかりしている。ITの垂直統合モデルが全盛だった時代には有効だったと思います。ただ、お客様に様々な変革を柔軟に提案し続けるには、スピードや柔軟さという点で足かせになりかねません。
先進的な企業は「プロジェクト型」と「ライン型」が並走するような組織構造を整えています。富士通もプロジェクト型の組織構造をもっと浸透させる必要があるでしょう。そういう意味ではUvance Wayfindersが組織間を結びつける接着剤となり、プロジェクトの扇となることも大事な役割だと考えています。

企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)を
推進しています。
Uvance Wayfindersは企業に対してどのように
テクノロジーやデジタルを使って企業価値向上に
つなげていくのでしょうか。

「DXとは何か」という定義は人によってまちまちですよね。DXが成長に必要だ、などとDXを主語にするのはナンセンスです。DXという言葉で何を実現するのか、ということを明確にしない限り、物事の本質が隠れてしまうし、変革の効果は乏しくなります。
変革には順番があります。富士通はまずファイナンスから取り組みました。なぜかというと、ビジネスの基礎だからです。毎月、データによるファクトを通じて着地点を見据え、微修正しながら成長への道筋を関係者間で共有しています。それが全ての変革の土台になるのです。
富士通はテクノロジー企業ですが、テクノロジーを主語にして語らない、というのがすごく重要です。どんなテクノロジーによって具体的にどんな成果を出すのか。お客様のビジネスの価値は何か、価値を高めるためにどんなことが必要か、という定義付けをするのが、私たちがまずやるべき基本の思考や行動になると思います。その先にUvance Wayfindersの提供価値が形作られていくのです。

Uvance Wayfindersの
提供価値とはどんなものなのでしょうか。

前例に縛られず、今あるコンサルティング企業やITサービス企業がやらない新しいアプローチを生み出し、価値を出し続けることが私たちのミッションです。Uvance Wayfindersの提供価値は、こうしたミッションに挑戦することでしか得られないと考えています。成果を出し続け、ファクトベースで「どれだけの価値があったのか」「サステナブルな効果なのか」を常に検証し、自分自身に問い続けなければいけません。
富士通は日本初の国産コンピューターを開発するなど、未来を見据えてイノベーションを起こし続けてきました。失敗を恐れず、未来を照らす道を拓くDNAをUvance Wayfindersも継承していきます。

前例に縛られない新しいアプローチとは
具体的にどんなイメージでしょうか。

コンサルタントやエンジニアといった画一的なカテゴリーの壁を無くし、1つの組織として融合して新たなプロフェッショナルサービスを開発し、提供するというイメージです。例えばAIエージェントのようなテクノロジーを活用すれば、システム開発のライフサイクルにかかる時間をぐっと縮められます。要件定義のセッションが終わった直後にアプリケーションのプロトタイプが生成され、それを触りながら、ユーザー目線での確認ができるようになります。
システム開発の期間を圧倒的に短くすることで、コンサルタントもエンジニアも関係なく「考える」「創造する」「判断する」ことに多くの時間を割けるようになります。つまり、お客様に対して、より早く、より効果的で、より付加価値の高いプロフェッショナルサービスを早く提供できるようになります。通常だと大規模なシステムの場合、要件定義からリリースまで数カ月から年単位の期間がかかります。その間、ビジネス環境は変わり続けます。変化の激しい現代ではなおさらスピード感は重要です。私たちはスピードも質も今までにない形に昇華させます。
ITはツールにすぎませんが、世界の企業は「ITの使い方によって勝ち負けが決まる」状況に置かれていると感じています。データもAIも今は主要な経営アジェンダです。しかし、数年先はまた違う状況かもしれません。変化に応じて、あるいは半歩先を行って課題解決へのストーリーを描き、最先端のテクノロジーを最短距離で導入し、未来への最適な道を拓く。それが私たちの約束であり、提供価値です。

テクノロジー起点の変革を有効にするには、
組織や業務といったビジネス変革も同時に必要です。

はい。Uvance Wayfindersはテクノロジーを起点としたコンサルティングサービスを提供しますが、単にベストプラクティスにビジネスをあわせるだけのやり方ではなく、ビジネスの構造をガラッと変えることも同じく重要です。
セキュリティーを一例に出しましょう。セキュリティーは今、大きな経営アジェンダになっています。もちろん最適なテクノロジーの導入が欠かせませんが、同時にあらゆるビジネスプロセスにセキュリティーを組み込まなければなりません。セキュリティーの質を高めるにはビジネスのやり方も変える必要がある、ということです。こうした一連の変革をトータルで支援するのがUvance Wayfindersです。私たちは富士通グループのテクノロジーや知見を束ねて最適な解決への道を探り、拓き、お客様と共に目指すゴールまで歩み続けます。

Uvance Wayfindersが
目指す世界を実現するうえでの
課題は何でしょうか。

1つずつ実践して効果を積み上げ、新しいアプローチや新しい提供価値をより具体的に定義していくことがお客様への訴求力を高めることにもなるので、まずはそこをしっかり取り組んでいきます。あと、私たちの価値観に共感し、一緒に挑んでくれる方にはどんどん仲間に加わっていただきたいですね。

どんな人材と一緒に
新しいコンサルティングを創っていきたいですか。

前例がないことに対してもあるべき本質を見極め、何をやるべきかを定義できる方に加わっていただきたいです。流行っているからやる、競合がやっているからやる、過去に失敗したからやらない、という発想ではなく「本来やるべきことって何だろう」と、とことん突き詰められるマインドを持っていることが大事になってきます。そうしたマインドと、実現手段としてのテクノロジーやいろんなアプローチの方法を組み合わせて道を拓ける人材が必要です。
実現したいゴールからバックキャストをして、このテクノロジーはここまでできる。別のテクノロジーと組み合わせればさらにゴールに近づける。テクノロジーの効果を最大限に発揮するにはあんな変革やこんな取り組みも必要だ。というように、全体像を俯瞰して、大きな視点で物事を捉えられる方を求めています。
私たちはAIが単なる補助ツールではなく、ミッションクリティカルな業務を人と一緒に遂行する世界に挑み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。新たな挑戦をいとわない気概のある人材が次の時代をつくるんだと確信しています。そうした方々とぜひ、未来を照らす道を拓いていきたいと考えています。

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